自分たちが目指すのは、「社会の課題を解決できる技術であり、人がそれを必要とする技術です」とCYBERDYNE(サイバーダイン)社長・山海嘉之(さんかい・よしゆき)氏。同社が開発するロボットスーツ『HAL』は、自立支援という領域のみならず、本人の身体能力を高めていくという治療領域にも入る。人口減、高齢化に伴い、要介護者が増える中、本人の身体機能の残存能力が高まり、自立生活がしやすくなるなど、生き方・働き方の新しい選択にも直結。筑波大学大学院教授も務め、筑波大学発ベンチャーとして株式上場(2014年3月)して3年半、「会社組織がきちんとできあがってきて、組織自体に価値がある」ことを痛感する日々。社会の課題解決へ向けて他企業との連携にも意欲的。HALの今後の展開について、「AI(人工知能)が単独でやる世界というのは、あってはならない」として、人とテクノロジーが共存する世界にこだわる。学者と経営者の“二足のワラジ”でつかむ経営観、世界観とは──。
■本誌主幹 村田 博文

…続きは本誌にて

 

マイナス金利、人口減少下にあって金融機関に求められるものは──
「金融機関は『目利き力』を高め、
顧客の課題解決に商機を見出す時」


 

「『目利き力』を持つことが金融機関の力になる」──金融庁長官の森信親氏はこう強調する。人口減少、マイナス金利など銀行を取り巻く環境が厳しくなる中、経営の「質」を変える必要性を訴えてきた森氏。銀行は、企業の課題解決に取り組む機能が大事と説く。今後の金融行政のカジ取りのポイントは──。

投資の「成功体験」
により資産形成を促進

── 森さんは金融庁長官として3年目に入りました。改めて今後、どのように改革を進めようと考えていますか。
森 長官になった時も職員に言ったのですが、金融行政のレベル、質を継続的に向上させていくことが重要だと思っており、そのために必要なことをいろいろやってきたつもりです。
金融の世界では最適な均衡が実現していないことが多くあります。例えば「貯蓄から投資へ」と30年近く言われますが、未だに間接金融が中心ですし、ゼロ金利、マイナス金利になっても増えているのは預金です。


…続きは本誌にて

 

日本をマザー工場として基盤整備、同時に海外事業を展開。次の一手は──
日・台連携でのアジア高炉プロジェクト
JFEスチール・柿木厚司の新グローバル戦略


 

「日本はマザー工場。基盤整備と新技術開発を両輪で進め、世界に打って出る」と話すのはJFEスチール社長の柿木厚司氏。今、日本の鉄鋼業界が勢いづいている。近年、日本の鉄鋼業は中国の生産能力過剰による市況悪化に苦しんできた。さらに昨年秋から原料炭価格が急騰し、業績悪化要因となった。だが、足元ではどちらの問題も改善、業績はV字回復の様相。中国の動向が左右するアジア市場での成算は──。

中国の生産能力削減は
一定の効果

「原材料価格高騰の影響は、徐々にお客様のご理解が得られてきている。また中国も、政府が違法鋼材『地条鋼』を厳しく取り締まり、能力削減にも一定の努力をしている。生産能力は過去最高と見られるが、輸出は3割ほど減り、国際市況が安定している」と話すのは、JFEスチール社長の柿木厚司氏。
昨年、JFEを含む日本の鉄鋼メーカーは急な業績悪化に見舞われた。1つは従来、ボラティリティ(変動性)が高くなかった原料炭価格が急騰、製品への価格転嫁に時間がかかったこと、もう1つは中国の生産能力過剰問題。中国の内需が落ちたことで製品を輸出、それがアジアの鉄鋼市況を押し下げた。
この影響もあり17年3月期、JFEスチールは単独ベースでは2期連続の赤字に陥った。


…続きは本誌にて